ヒント:Figmaは独自の進化を遂げようとしています
2025年7月1日、FigmaがIPO(新規公開株式)の申請書類を提出しました。
Figmaと言えば、2022年のAdobeによる買収提案が記憶に新しく、多くの方が「FigmaとAdobeは競合関係にある」と考えています。
たしかに、どちらもクリエイティブツールを手掛けているため、競合関係にあると言えます。しかしその一方で、FigmaはAdobeの脅威にならないと筆者は考えます。
本記事ではFigmaのS-1資料(米国証券取引委員会に提出する証券登録届出書類)をベースに、同社の事業戦略や今後の進化の方向性を読み解きながら、なぜFigmaがAdobeの脅威にならないかを解説していきます。
この記事では、1ドル=150円として、日本円も併せて記載しています。
Figmaとは?
Figmaは、ブラウン大学で出会ったディラン・フィールド氏とエヴァン・ウォレス氏によって創業されたIT企業です。

当時、デザインを制作するには複数のツールや製品にまたがる必要があり、他の人と一緒に仕事したくても、各製品の性質が異なるためコラボレーションが面倒でした。
そこでGoogleドキュメント世代だったディラン氏とエヴァン氏は、ブラウザ上で運用できるデザインツール「Figma」を開発したのが創業の経緯です。
2022年には、AdobeがFigmaに200億ドル(約3兆円)の買収提案を持ちかけ、一時は成立しましたが、最終的には独占禁止法違反の観点で規制当局の介入が入り破談になりました。
このことからAdobeがFigmaに対して強い警戒心を抱いているように思えますが、実際のところ、FigmaはAdobeの脅威にならないと筆者は考えます。
記事の後半では、その理由に加え、Figmaの業績や事業リスクについて、解説していきます。
この記事は、デザイナーの方、FigmaやAdobe製品を利用している方、SaaSビジネスの動向を知りたい方、クリエイティブ業界に従事している方に最適な内容になっています。
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・Q. デザインツール「Figma」が新規上場へ!それでもAdobeの脅威にならない理由とは?の答え・Adobeとの決算業績比較・FigmaがAdobeの脅威にならない理由・挟み撃ち?・Figmaのリスク要因とは?・既存顧客の〇〇化が成長の鍵を握る・Figmaはどのように進化するのか?