ヤマハ発動機は二輪車や船外機などで世界的なシェアを持ち、近年は電動モビリティやロボティクスにも注力しています。しかし2025年12月期第2四半期の決算は大幅な減益となり、同社の成長にとって重要な局面を迎えています。
2025年12月期 第2四半期 決算分析

2025年1月から6月までの連結売上収益は1兆2,778億円で、前年同期比5.2%減少しました。
営業利益は841億円と前年同期の1,541億円から45.4%減、当期利益は531億円で前年1,129億円から52.9%減となりました。売上減少幅は比較的小さいものの、利益面では大幅に悪化しています。

通期予想も大きく下方修正され、売上収益は2兆5,700億円、営業利益は1,200億円、当期利益は450億円に引き下げられました。
当期利益は従来計画1,400億円から▲67.9%の下方修正です。すでに上期利益531億円が通期計画を上回っており、下期には81億円の赤字が織り込まれていることになります。主力事業の停滞とコスト増を背景に、保守的な見通しを示さざるを得なかったことがわかります。
主力事業の停滞


2025年からMC(Motorcycle)事業に名称変更した二輪事業は、売上7,890億円で前年同期比4%減、営業利益616億円で40%減となりました。
フィリピンでは販売が堅調でしたが、ベトナムでは需要が半減し、欧米でも景気減速による需要鈍化が響きました。
販売台数は前年から微減にとどまりましたが、利益率の悪化が顕著です。原材料価格や物流費の上昇に対応しきれなかったことも減益の一因となっています。

マリン事業も売上2,800億円(▲6%)、営業利益389億円(▲26%)と大幅な減益となりました。
米国市場ではF350Bなど大型船外機が好調でシェアを拡大しましたが、中小型モデルの需要は鈍化し在庫調整が進みました。さらに米国追加関税が重荷となり、採算を圧迫しています。