ヒント:ネットスターズの主力サービスである「StarPay」は、複数のキャッシュレス決済を1つのアプリで決済可能にするサービス。そのため、加盟店はStarPayだけではなく、各社決済事業者による決済手数料を別途負担します。
2023年8月22日、複数のキャッシュレス決済を1つのアプリで決済可能にするマルチQRコード決済サービスの「StarPay」などを提供する株式会社ネットスターズ(以下、ネットスターズ)の東証グロース市場への上場が承認されました。
QRコード決済やクレジットカードなどの多くの決済サービスが普及する昨今、それらの多様な決済サービスへの対応が求められる店舗の負担は年々高まっています。
ネットスターズは、そんな店舗に対してStarPayを導入することで、多くの決済サービスの一括管理・運用を実現しています。
この記事では、そんなネットスターズの事業内容やビジネスモデル、テイクレート(決済手数料率)等について解説しました。
ネットスターズが新規上場
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ネットスターズは複数のキャッシュレス決済を1つのアプリで決済可能にするマルチQRコード決済サービス「StarPay」などを提供するFinTech企業です。同社の取締役COOにはLINE Payの元CEOである長福氏が参画しています。
2009年2月に設立後、テンセントやKDDIと共同でコミュニケーションサービスのモバイルQQ日本版をリリースし、その後はテンセントとWeChat Payの代理店契約を締結してFinTech領域に参入、2018年にはStarPayにLINE Payを追加してLINEとの資本業務提携を行いました。
ネットスターズは東京本社に加えて、シンガポール・ベトナム・中国にある子会社のグループで構成されています。
また、東証グロース市場への上場は2023年9月26日を予定、想定時価総額は288.5億円です。
ネットスターズの提供サービス
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ネットスターズの提供サービスは、(1)マルチQRコード決済サービス「StarPay」と、(2)キャッシュレス決済に関するミニアプリ(アプリの中で使用するアプリ)等によるDX支援を行う「StarPay-DX」の2つです。
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StarPayはクレジットカードや電子マネー決済にも対応しており、特にQRコード決済ブランドの対応数は国内最大級です。そのため、加盟店はStarPayを導入することで、多くのキャッシュレス決済の一括対応ができるというメリットがあります。
そんなStarPayの店舗や自動販売機などを含めた導入済みアカウント数は、2023年6月末時点で40万超とのことで、スーパーや薬局、レストラン、物流などの様々な業界で使用されています。
グローバルでキャッシュレス決済サービスを提供するSquareによると、PayPayや楽天ペイ、d払いなどのQRコード決済サービスが使用できる国内店舗数は概ね200-500万ヶ所程度のため、StarPayの成長余地はまだまだ残っていると考えられます。
参考:QRコード決済はどのくらい利用されている?シェア状況を解説 (Square)
StarPayとStarPay-DXそれぞれのビジネスモデル
次に、ネットスターズの主力サービスである(1)StarPayと、(2)StarPay-DXのビジネスモデルについて解説します。
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(1)StarPay
利用の対価として加盟店の決済額に応じた手数料を得るビジネスモデルで、具体的には、決済額に応じた加盟店の手数料から決済事業者の手数料を差し引いた純額がネットスターズの収益となります。
加盟店の獲得経路としては、直販とOEM提供先や取次店経由の2つがあり、OEM提供先や取次店経由の場合はこれらの企業の手数料がさらに差し引かれます。
(2)StarPay-DX
初期開発・導入サポートに係る初期売上と、DX製品の利用料及び保守運営に係る月額利用料、決済額に応じた手数料の3つで構成されています。
ミニアプリ等のDX製品では、事前注文・出前サービス・クーポン発行等の様々な機能を実装でき、使用する機能に応じて月額利用料が変わります。
ここまで、ネットスターズの事業内容やビジネスモデルについて整理してきました。記事の後半では、StarPayの具体的なテイクレートとその理由、今後の同社の成長戦略について解説します。
この記事は、FinTech事業に従事している方や企業の決算分析に関心がある方におすすめの内容となっています。
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・Q. ネットスターズが新規上場、マルチQRコード決済サービスStarPayのテイクレートは?の答え
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・StarPayのテイクレートの理由
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