HISは「安売りの旅行会社」を脱却し、高付加価値モデルへ転換できるのか?

HISは高付加価値商品や体験型サービスを強化し、価格競争から脱却しつつ収益を拡大しているが、地域差や戦略の継続性が課題となっている

決算が読めるようになるノート 決算解説
HISは「安売りの旅行会社」を脱却し、高付加価値モデルへ転換できるのか?
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この記事は星島カナタによるゲスト投稿です。

2025年12月12日、株式会社エイチ・アイ・エス(以下、HIS)が2025年10月期通期決算を発表しました。

コロナ禍以降、「安売りの旅行会社」という従来イメージからの転換を掲げてきた同社ですが、今回の決算では旅行事業やホテル事業を中心に、収益構造の変化をうかがわせる数字が並びました。一方で、海外展開や地域事業では明暗が分かれる場面も見られ、戦略の成果と課題が同時に浮かび上がっています。

HISは本当に価格競争から脱却し、高付加価値モデルへと進化しつつあるのでしょうか。本記事ではHISの最新決算を3つのポイントに絞って解説していきます。


HISとは?

HISは、海外・国内旅行の企画販売を中心とした大手旅行会社です。

以前は「安さ」を武器に成長しましたが、コロナ禍で需要が激減したことを受け、現在は“高付加価値型”への転換を進めています。

具体的には、富裕層向けの特別ツアー、体験価値を重視した宿泊・観光商品、ホテルや交通事業を含むグループシナジーの強化を推進。さらにDXによる業務効率化や、アプリを通じた顧客接点の拡張も進行中です。

旅行需要が回復する中、単なる「安売り」ではなく、高品質で独自性のある商品を軸に収益力改善を目指すフェーズに入っています。


HIS 2025年10月期通期決算(2024年11月~2025年10月)

https://www.his.co.jp/assets/fy25_4q_presentation.pdf

HISの2025年10月期通期決算(2024年11月~2025年10月)を見ると、売上高はYoY+8.7%の3,731億円、営業利益はYoY+7.1%の116億円となり、全セグメントで増収増益を達成しました。

一方で、業績予想には未達となっており、下半期における海外旅行需要の伸び鈍化や、ホテル事業での一時的な要因が利益面に影響しています。

では、こうした環境下でもHISが利益を伸ばせた背景には何があり、同社は本当に「安売りの旅行会社」から脱却できつつあるのでしょうか。ここからは、事業別にその変化を詳しく見ていきます。

この記事は、旅行業界やホテル業界に関わっている方、自社ビジネスを薄利多売モデルから高付加価値モデルへと転換したい方、体験価値の作り方を学びたい方に最適な内容になっています。



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