Q. 創業17年のナイルがついに上場、業界最安水準のカーリース「定額カルモくん」の急成長の秘密とは?

ヒント:「定額カルモくん」は、一般的なカーリースと同様に、運営会社のナイルが個人ユーザーに車両のリースをしている事業のように見える。

決算が読めるようになるノート 新規上場
Q. 創業17年のナイルがついに上場、業界最安水準のカーリース「定額カルモくん」の急成長の秘密とは?
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ヒント:「定額カルモくん」は、一般的なカーリースと同様に、運営会社のナイルが個人ユーザーに車両のリースをしている事業のように見える。


しかし、その実態は、ナイルが創業以来培ってきた●●事業の得意とする「●●と連携した●●及び●●を主体とする事業」である。

加えて、個人ユーザーのサブスクリプションサービスであるにも関わらず、売上の50%以上は、●●が占めている。

今回は、2023年11月16日に、東京証券取引所グロース市場への新規上場が承認されたナイルを見ていきます。

ナイルは、創業から現在に至るまで16期連続で増収を達成しており、さらに2018年から始めた業界最安水準のカーリース「定額カルモくん」の売上高は、平均年次成長率485.3%と急成長しています。

「定額カルモくん」の急成長を原動力として、直近の第16期(2022年1月~12月)のナイルの売上高はYoY+57.4%と、非常に高い成長率で成長していることも特徴的です。

今回の記事は、前半でナイルの事業や業績の解説、後半で「定額カルモくん」にフォーカスし、ビジネスモデルや売上急拡大の要因などを考察をしていきます。


ナイルが新規上場承認、想定時価総額は137.8億円

前述の通り、ナイルは、東京証券取引所グロース市場への新規上場が2023年11月16日に承認され、2023年12月20日に上場を予定しています。

ナイルは、代表取締役社長の高橋飛翔氏が2007年1月に創業した会社で、デジタルマーケティング事業やメディアテクノロジー事業(現在のホリゾンタルDX事業)を中心に事業展開してきました。

近年は、創業初期から取り組んでいるホリゾンタルDX事業で培ってきたDXやデジタルマーケティング技術・知見を活かし、特定産業を深掘りするバーティカルなDX事業を開発していく戦略を描いています。


ナイルの事業ポートフォリオ

https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/bkk2ed0000002f27-att/12Nyle-1s.pdf

上図は、ナイルの事業ポートフォリオをまとめたものです。

ナイルは、以下の2つの事業を運営しています。

(1)自動車産業DX事業
「定額カルモくん」の事業運営を主軸として、マイカーのサブスクリプションサービスを運営

(2)ホリゾンタルDX事業
顧客企業に対するコンサルティングサービスを主軸とし、生成AIによる業務自動化支援、メディア開発・運営及びデジタル広告等も手がける

ナイルのホリゾンタルDX事業は、顧客企業のコンサルティングで得た技術・知見を元に、自社メディア「Appliv」等のメディア開発・運営を行い、自社で得られた知見を顧客の事業成長支援や顧客企業のコンサルティングに還元しています。

さらに2018年から始めた自動車産業DX事業は、ホリゾンタルDX事業で蓄積した技術・知見をリアル産業に応用し、事業の立ち上げをしています。

このように、ナイルは自社のケイパビリティをうまく活かして事業拡大しており、メディア事業の成長モデルの1つの好例と言えるでしょう。

メディア事業の成長モデルの方向性としては、電力プランの比較メディアである「エネチェンジ」のように、メディアが取り扱うドメインの企業との接点を活かし、SaaSサービス提供に進む等もあります。

Q. 新規上場の電力比較メディア「エネチェンジ」がARRを重要KPIとする理由とは?


事業セグメント別売上高推移

上図は、ナイルの事業セグメント別の売上高推移です。

売上推移を見ると、ナイルの総売上高は大きく伸びており、特に自動車産業DX事業の売上高の成長が貢献していることが分かります。

2022年1月~12月の総売上高は、41.3億円、YoY+57.4%と大きく成長しています。

内訳を見ると、以下のようになります。

●2022年1月~12月の事業セグメント別の売上高
ホリゾンタルDX事業:22.6億円(YoY+30.8%)
自動車産業DX事業:18.7億円(YoY+108.3%)

ホリゾンタルDX事業は、2021年1月~12月はYoY▲7.0%とやや下落していますが、基本的には堅調に成長を続けていることが分かります。

一方、2018年からサービス開始した自動車産業DX事業は、売上高が年々大きく伸び、事業を拡大しています。

直近2022年1月~12月の自動車産業DX事業の総売上高の構成比率は45.4%にまで伸びています。

現在の売上成長率を考えると、2023年1月~12月には、自動車産業DX事業の売上高がナイルの売上の50%を超えることはほぼ確実といえるでしょう。

次章以降では、急成長中の自動車産業DX事業の主軸である「定額カルモくん」の成長の秘密を紐解いていきます。


カーリース事業「定額カルモくん」とは?

https://carmo-kun.jp/

「定額カルモくん」は、個人ユーザーが頭金やボーナス払いなしで月1万円台からマイカーを利用できるサブスクリプションサービスです。

「定額カルモくん」の利用者は、国内メーカーの新車・中古車の全車種(一部貨物車、商用車を除く)の中から車を選び、希望に合わせて最短1年~最長11年までリースすることができます。

車探しから料金シミュレーション、申込等の諸手続を24時間オンラインで行うことができ、利用期間中は、リースしている車の料金に加えて、リースしている車の税金・保険料等も含めた月額料金を支払う仕組みです。

その他の「定額カルモくん」のポイントとして、「幅広い個人ユーザーが利用できる」点があります。

「定額カルモくん」の利用者は、オンライン型のため、店舗型のカーリースよりも客層が幅広く、カーローンの審査に通りにくい与信の弱い個人ユーザー層からもサービスの申込があります。

ナイルでは、与信の弱い個人ユーザー層へもサービス提供を実現するために、提携金融事業者と連携して、与信拡大やカーローン等の自動車金融商品のサービス開発(以下、一例)もしています。

カーリースのナイルとカーローンのクラウドローンが業務提携

つまり、このような与信の弱い個人ユーザー層にも自動車金融商品の提供できるようにすることで、ナイルは、新たな市場を開拓し、事業成長に繋げています。

ここまでは、ナイルの事業やその業績を中心に見てきました。ここから記事の後半では、カーリース事業「定額カルモくん」のビジネスモデルや成長の秘密を紐解いていきます。

この記事は、新規事業に携わる方や興味がある方はもちろん、事業戦略に関心がある方に最適な内容になっています。


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・Q. 創業17年のナイルがついに上場、業界最安水準のカーリース「定額カルモくん」の急成長の秘密とは?の答え
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・契約1件あたりの収益は?
・まとめ



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