ヒント:投資抑制へ舵を切る出前館が黒字化するためのポイントは以下の3つ。
#1 ●●を大幅に縮小
#2 ●●率を向上させるためのビジネス強化
#3 ●●の削減
日本のフードデリバリー企業の中で、DAU(1日の利用ユーザー数)がトップシェアを誇る出前館の2023年8月期(2022年9月~2023年8月)の通期決算が2023年10月13日に発表されました。
前回の記事では、FY22(2021年9月-2022年8月)において、FY22第3四半期までの累計営業損益が▲295億円と大きな赤字であることをご紹介しましたが、その後どうなったのでしょうか?
通期決算発表の直前の2023年8月1日には、出前館は、飲食店の代わりに出前館が配達代行するサービス「シェアリングデリバリー」で、業務委託契約している配達員の報酬体系の改定する等の大きな動向も出てきています。
今回の記事は、前半で出前館の主要KPI・業績の解説、後半で出前館が黒字化するためのポイント等の考察をしていきます。
出前館の売上高を構成する主要KPIは?
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上図は、出前館の売上高と売上成長率の推移です。
FY23 Q4(2023年6月~8月)の売上高は、129億9,600万円、YoY+4.5%です。
売上高の推移を見ると、コロナによる初めての緊急事態宣言が発令されたタイミングである、FY20 Q3(2020年3月~5月)からは大きく成長しています。
FY21 Q4(2023年6月~8月)の前年同期比成長率は+201.1%(約3倍)にまで伸びました。
しかし、コロナの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に移行したFY23 Q3(2023年3月~5月)には、前年同期比成長率が+7.4%まで鈍化し、前年同期比成長率は頭打ちの状態となっています。
次は、前年同期比成長率の鈍化している背景を見ていきましょう。
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上図は、出前館のGMV(流通取引総額)です。
GMVの推移を見ると、前述の売上高の推移と同様に、コロナによる初めての緊急事態宣言が発令されたFY20 Q3(2020年3月~5月)から大きく成長しています。
しかし、直近のFY23 Q4(2023年6月~8月)のGMVは、501億円、YoY▲10.7%とマイナス成長です。
出前館の売上高を分解すると、「売上高 = GMV × テイクレート」となります。売上高の前年同期比成長率が鈍化している理由を探るため、テイクレートを見ていきます。
●FY23 Q4(2023年6月~8月)のテイクレート
テイクレート = 売上高 ÷ GMV
= 129.96億円 ÷ 501億円
= 25.9%
上記と同じように、FY22 Q4(2022年6月~8月)のテイクレートを計算すると、以下のようになります。
●FY22 Q4(2022年6月~8月)のテイクレート
テイクレート = 売上高 ÷ GMV
= 124.4億円 ÷ 561億円
= 22.1%
FY22 Q4(2022年6月~8月)とFY23 Q4(2023年6月~8月)のテイクレートをまとめると、FY23 Q4の方が高くなっていることが分かります。
●テイクレートの変化
FY22 Q4(2022年6月~8月):22.1%
FY23 Q4(2023年6月~8月):25.9%
つまり、売上高の前年同期比成長率の鈍化は、GMVの成長率の低下が要因であることが分かります。
出前館のアクティブユーザー数、注文単価、利用頻度は?
GMVを因数分解すると、「アクティブユーザー数 × 注文単価 × 利用頻度」となります。
本章では、GMVを構成する要素の推移を見ていきます。
(1)アクティブユーザー数
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上図は、出前館のアクティブユーザー数の推移です。
アクティブユーザー数は、FY22 Q3(2022年3月~5月)の878万人をピークに下降トレンドとなっており、FY23 Q4(2023年6月~8月)のアクティブユーザー数は657万人、YoY▲24.7%です。
(2)注文単価
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上図は、出前館のアクティブユーザー注文単価の推移です。
FY23 Q4(2023年6月~8月)の注文単価は2,686円、YoY+5.5%です。
FY22(2021年9月-2022年8月)は注文単価が2,500円代でしたが、FY23 Q2~Q4(2022年12月~2023年8月)は2,600円代と、注文単価は上昇傾向にあります。
(3)アクティブユーザーの利用頻度
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上図は、出前館のアクティブユーザーの利用頻度の推移です。
FY23 Q4(2023年6月~8月)の利用頻度は2.84回、YoY+12.5%です。直近の1年間(2022年9月~2023年8月)でみると、利用頻度は改善傾向にあります。
出前館の直近の戦略として、本質的なサービス・プロダクトの改善に注力するとしています。
具体的には、「検索機能・レコメンドの精度改善」や「配達時間の短縮と配達効率向上」等に取り組んでおり、その効果として、アクティブユーザーの利用頻度が改善していると考えられます。
先ほど、出前館の売上高の成長率の鈍化は、GMVの成長率の低下が要因であると解説しましたが、GMVの成長率の低下の背景には、アクティブユーザー数の低下が影響していると考えられます。
出前館の赤字は減少傾向
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上図は、出前館の営業利益の推移です。
売上高が大きく成長し始めたFY20 Q3(2020年3月~5月)頃から大きく投資し、FY22 Q2(2022年12月~2023年2月)の赤字額は、▲134.5億円と最大となりました。
その後、FY22 Q3(2022年3月~5月)以降は、赤字額が徐々に改善していますが、直近のFY23 Q4(2023年6月~8月)には、▲15.1億円の赤字となっており、まだ黒字化が見えていない状況です。
ここまでは、出前館の主要KPI・業績を解説してきました。ここから記事の後半では、出前館が黒字化するためのポイント等の考察をしていきます。
この記事は、フードデリバリーやクイックコマース事業に関心のある方、事業運営に関心のある方に最適な内容になっています。
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・投資抑制へ舵を切る出前館が黒字化するためのポイントとは?の答え
・出前館の方針転換#1 ●●を大幅に縮小
・出前館の方針転換#2 ●●率を向上させるためのビジネス強化
・出前館の方針転換#3 ●●の削減
・黒字化後の成長戦略は?
・まとめ