Q. 国内メディア企業のうち、高い成長率を見せている企業の戦略の共通項とは?

ヒント:M&Aによる拡大、あるいは●●を活かした●●の拡張

決算が読めるようになるノート 決算解説
Q. 国内メディア企業のうち、高い成長率を見せている企業の戦略の共通項とは?
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ヒント:M&Aによる拡大、あるいは●●を活かした●●の拡張

本日はKPIデータベースを用いて、国内メディア企業の2023年4-6月の決算内容を横比較し、どの企業が高い売上成長率を記録しているのか、高い売上成長率を記録する企業の「戦略の共通項」を見ていきます。

一口に「メディア企業」といっても、広告収益やマッチング・月額課金など、多種多様なビジネスモデルがあり、それに応じた戦略も多岐にわたります。

そんな様々なビジネスモデルが存在するメディア企業の中で、どんな戦略を掲げている企業が高成長しているのか、という情報は、きっと多くのビジネスマンにとって役に立つ内容になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

*決算期の都合上、一部企業の対象期間は前後しています。


国内メディア企業の売上成長率ランキング

まずは、国内メディア企業の売上の前年同期比成長率を見てみると、全体感として、(1)Web広告の単価下落や、(2)Webメディアから動画メディア(特に、YouTubeやTikTok等のショート動画)への移行、といったマクロ環境の変化などによって、厳しい決算となった企業もあります。

一方で、このような環境の中でもYoY+30%以上といった高い成長率を記録した企業は以下の8社です。

・メドピア: YoY+77.4%
・ミンカブ・ジ・インフォノイド: YoY+62.5%
・くふうカンパニー: YoY+56.7%
・ツクルバ: YoY+53.9%
・カラダノート: YoY+50.5%
・オープンドア: YoY+47.9%
・アイスタイル: YoY+33.8%
・じげん: YoY+33.0%

*くふうカンパニーは孫会社の異動(株式譲渡)による一時的な収益増が大きく貢献しているため、今回の分析対象からは除きます。
*オープンドアは、旅行メディア「トラベルコ」などを運営しており、旅行需要の回復というマクロ環境の影響が大きかった為、今回の分析対象からは除きます。

このような高い成長率を記録する企業の戦略とはどのようなものなのでしょうか?次章から詳しく見ていきましょう。


M&Aによる売上増加

まず、以下の3社に共通する戦略は「M&A」です。各社のM&Aはどのようなものか、具体的に見ていきましょう。

・メドピア
・ミンカブ・ジ・インフォノイド
・じげん

●メドピア

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000416.000010134.html

医師向けの情報サイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、2022年10月に製薬企業のMRの営業代行を行うCSO事業(Contract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関))を展開するEPフォースを、約50億円で完全子会社化(買収後はMIフォースに商号変更)しました。

メドピアの売上高は84億円、営業利益は10億円(2022年9月期)。一方でMIフォースの売上高は33億円、営業利益は3.7億円(2021年9月期)と、企業としての規模も大きな差はない。

参考:会社四季報 ONLINE「医師向けサイトのメドピア、"大型買収"踏み切る切実事情」

会社四季報 ONLINEによると、MIフォースの売上規模はメドピアの約40%を占める規模感です。実際に、MIフォースの売上が計上される以前の売上成長率は概ね20%前後でしたが、連結が開始されたFY2023以降、売上成長率は概ね70%前後に一気に跳ね上がっています。

買収後ののれん償却費等も考えるとリスクのある投資と考えられますが、次の成長を見据えた投資として実行に踏み切ったようです。

●ミンカブ・ジ・インフォノイド

https://assets.minkabu.jp/news/article_media_content/urn:newsml:tdnet.info:20220927536981/140120220927536981.pdf?_gl=1*gcws85*_ga*MTM4NjU3MTE4OS4xNjkzMzg0NTQz*_ga_ZJL6R8XCW7*MTY5MzM4NDU0My4xLjAuMTY5MzM4NDU0My42MC4wLjA.*_fplc*a3JWYVdsdzhEMyUyQmRCeCUyQk5WaFVWZUNiQXVhemkyZ0lCQU5YMzl0RTg5RmVkemJpTUVPQVBORGt1SjVDZVU2YTNtbFFraDA3ZjZJUnNhc2JHM3J6OWc1S2x6JTJCcVY3SGxBYWZGWnA3clN4bks2RjFtdzJuN2JQQjFvZ2ZWM3VBJTNEJTNE*_ga_7VXDWMSGF6*MTY5MzM4NDU0My4xLjAuMTY5MzM4NDU0My42MC4wLjA.

金融情報を扱うメディア企業であるミンカブ・ジ・インフォノイドは、2022年12月に「ライブドアブログ」や「livedoorニュース」などを運営する株式会社ライブドアを、約71億円で完全子会社化しました。

この買収の狙いとしては、(1)事業領域の拡大、(2)事業ポートフォリオの安定化、(3)ほかメディアと比較して買収金額が割安と考えられる為などが挙げられます。

この買収の詳細については、以下の記事にまとめておりますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

Q. ミンカブがライブドア買収に踏み切った3つの理由とは?

●じげん

人材・不動産・生活領域等のメディアを運営するじげんは、以前からM&Aによる成長戦略を掲げています。じげんはマネーフォワードやSHIFT等のいわゆるM&A巧者の1社として、社名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS80135/e143be16/ca46/422a/b46f/8cfa2e0784c7/20230809143047588s.pdf

そんなじげんのM&A戦略は、既存事業の隣接領域や新規領域への横展開、既存事業とのクロスセル・アップセルを狙ったもので、FY2023までの累計25件のM&Aの年間リターンは28.6%、累計リターンは189.2%と驚異的な投資成果を挙げています。

また、以前じげんのV字回復の理由についてもわかりやすくまとめたので、興味のある方はこちらもご覧ください。

Q. 複数メディア運営のじげんが赤字転落からV字回復した3つの理由とは?

このように、既存事業と親和性のある企業のM&Aを行うことで、これらの企業は高い成長率を記録しました。

ここまで、高い成長率を記録するメディア企業はどこか、高い成長率を記録する企業の戦略の共通項の1つがM&Aによるものであることを見てきました。記事の後半では、残りの企業の共通項について解説します。

この記事は、メディア事業に従事している方や、企業の成長戦略に関心がある方におすすめの内容となっています。


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・Q. 国内メディア企業のうち、高い成長率を見せている企業の戦略の共通項とは?の答え
・●●を活かした●●
・●●に加え●●の拡充によるマッチング数増加
・●●を活かした●●の構築
・まとめ



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