ヒント: TOBのプレミアムで+120%超が設定されるケースはかなり珍しいです。
2025年2月13日、米国投資ファンドであるカーライル・グループが、国内SaaS企業である「株式会社カオナビ」の完全子会社化を目的に、TOB(Take Over Bid:株式公開買付)を発表し、大きな話題となりました。
カオナビは、主にタレントマネジメントシステム「カオナビ」を展開するSaaS企業で、国内の人材管理市場シェアNo.1(※同社リリース内容に基づく)を誇る、国内有数のHR Tech企業です。
そんな国内有数のHR Tech企業のTOBというだけでも話題性は十分ですが、さらなるポイントとして、「TOBの公開買付価格は2月13日の同社株価に対して+120%超のプレミアムが付いていること」が挙げられます。
一般的なTOBにおける+120%超のプレミアムはかなり珍しいため、この記事では+120%のプレミアムの妥当性について考察していきたいと思います。
カオナビとは?
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カオナビとは2008年に設立されたSaaS企業で、主力事業のタレントマネジメントシステム「カオナビ」を2012年4月から提供しています。
具体的には企業の人材情報を一元管理し、人事や経営の課題を解決するシステムを提供しており、2019年3月に東証マザーズ(現:東証グロース市場)に上場し、2024年12月末時点でARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)は95.38億円です。
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同社の主力事業は人材管理サービス「カオナビ」ですが、2024年からは新規事業として労務管理サービス「ロウムメイト」や経営管理サービス「ヨジツティクス」をリリースしました。
同社の主力事業における代表的な競合サービスとしては、プラスアルファ・コンサルティング(以下、PAC)の「タレントパレット」やSmartHRなどが挙げられ、タレントマネジメント市場は競争環境が激化しています。
次章からは、TOBの概要やカオナビがTOBに賛同している理由を解説し、+120%超のプレミアムの妥当性について検証していきます。
この記事は、HR事業に従事している方やSaaSビジネス、M&Aに関心がある方に最適な内容になっています。
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・ Q. カーライルがカオナビをTOB!120%超のプレミアムの妥当性は?の答え・TOBの概要・カオナビがTOBに賛同した背景・+120%超のプレミアムに妥当性はあるのか?・おまけ・まとめ