【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks

今回もweb3の具体的な事例として、web3関連のスタートアップの事例紹介をします。

Web3事例データベース 業界動向
【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks
  • 【web3マガジン】事例#4: 既存の銀行などが暗号資産を管理できるようにするFireblocks

今回もweb3の具体的な事例として、web3関連のスタートアップの事例紹介をします。

以前公開したこちらの記事も、ぜひご覧になってみてください。

【web3マガジン】トップVCが投資するweb3スタートアップとは?

今回ピックアップしたweb3関連のスタートアップは、既存の銀行や証券会社などが暗号資産を管理できるようにプラットフォームを提供しているFireblocks(ファイアブロックス)です。

金融機関向けに暗号資産を管理するプラットフォームを提供するFireblocks

Fireblocks

Fireblocksは、既存の銀行や証券会社など金融機関に対して暗号資産を管理できるインフラをサービスとして提供をしています。

ここでの暗号資産の管理とは、暗号資産の「保存・送金・発行」の3つを意味します。

暗号資産カストディ米ファイヤーブロックス(Fireblocks)が、シリーズDの資金調達ラウンドで約340億円(3億1千万ドル)を調達したことを7月27日に発表した。これによってファイヤーブロックスの企業評価額は約2,200億円(20億ドル)となった。出資したのはSequoia Capital、Stripes、Spark Capital、Coatue、DRW VC、SCB 10Xだ。

引用:米デジタル資産カストディFireblocks、約340億円の資金調達

この記事にあるように、Sequia Capital(セコイア キャピタル)などのベンチャーキャピタルから、すでに多額の資金調達を行っており、時価総額は2,000億円を超えています。

既存の金融機関が暗号資産を管理する上での最大の課題 = セキュリティ

日本でも数年前に暗号資産が盗まれるという大きな事件がありましたが、既存の金融機関にとって暗号資産を扱う上で最も心配すべきリスクは、セキュリティだと言えるでしょう。

過去8年間で合計約15兆円もの暗号資産が盗まれてきました。

では、Fireblocksはどのように盗難防止などのセキュリティ対策を行っているのでしょうか。

Fireblocksのユニークさ = MPC (multi-party computation)

Fireblocksでは、「MPC (multi-party computation)」と呼ばれる技術を使い、セキュリティを担保しています。

当然ブロックチェーンを利用していますが、MPCという技術では、複数のノード(=コンピュータ)に、それぞれ秘密鍵を保持させます。そして、各秘密鍵がすべてが揃わない限り、暗号化された情報を復元できないような仕組みを構築しています。

MPC Wallet Technology | Secure Digital Assets | MPC - CMPFireblocks combines MPC wallet technology with hardware isolawww.fireblocks.com

つまり、秘密鍵が分散して保持されており、かつ復元の方法が非中央集権的であるため、誰か特定の人が全ての秘密鍵を見ることは不可能な仕組みになっています。

これにより、仮に1つの秘密鍵が盗まれたとしても、全体としてはセキュリティを担保できます。特定の従業員が不正を働こうとしても実行不可能ということになります。

Fireblocksが対応する仮想通貨取引所・トークン

他にも、既存の金融機関がFireblocksを利用するメリットを挙げると、すでに多くの暗号資産取引所とのインテグレーション(同期)が完了しているという点もあります。

これらの主要な暗号資産取引所とのインテグレーションは既に進んでいるため、既存の銀行や証券会社のエンドユーザーはすぐにでもこれらの暗号資産ウォレットとの送受金が可能になります。

Fireblocksで対応している暗号資産トークンの一覧はこちらから検索もできます。興味がある方はぜひ検索してみてください。

All Features and Integrationswww.fireblocks.com

まとめ: 金融機関向けに暗号資産を管理するプラットフォームを提供するFireblocksの特徴とは?

Fireblocksは、既存の銀行や証券会社などの金融機関向けに、暗号資産を「保存・送金・発行」できるようにするためのサービスをBtoBで提供しています。

既存の金融機関にとって、暗号資産は無視できない存在になっており、顧客からのニーズも非常に強くなりつつあります。

その中で、金融機関は自前でインフラを保有することなく、Fireblocksのサービスを利用するだけで、エンドユーザーに対して暗号資産を管理するサービスが提供できることになります。

最大の懸念であるセキュリティも、MPCと呼ばれる技術を用いて解決済みで、セキュリティ対策も万全になされています。

更にすでに多くの暗号資産取引所とのインテグレーションが進んでおり、暗号資産を保有しているユーザーが、自身の銀行口座・証券口座と暗号資産取引所との間で、スムーズに暗号資産を送受信できることも利便性を高めていると言えます。

Sequoia Capitalの他の主要投資先は?

FireblocksはSequoia Capitalから投資を受けています。

Where The Top VC Funds Are Investing In Crypto/Web3

最後に、Sequoia Capitalが他にどのようなweb3スタートアップに投資しているのか簡単に見てみましょう。

Sequoia Capitalは、web3スタートアップに関しては、比較的レイターステージにフォーカスしている印象があり、投資件数は他のベンチャーキャピタルに比べると多くありません。事例を見る限りインフラ系に注力しているようにも見えます。

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

まだ始めたばかりのマガジンなので、皆さんからのフィードバックを沢山お待ちしています。コメント欄やTwitter等でコメントをお待ちしています。

他にも、こんなスタートアップを紹介してほしいなどのご要望も、ぜひTwitterでコメントいただければ嬉しいです。

過去のweb3事例集

【web3マガジン】トップVCが投資するweb3スタートアップとは?

【web3マガジン】事例#1: 暗号通貨レンディング Goldfinch

【web3マガジン】事例#2: 誰でもトップレベルドメイン (TDL) が保有可能にするNamebase

【web3マガジン】事例#3: ステーブルコイン発行・管理するMakerDAO

【web3マガジン】NFT事例その1: プロサッカー選手によるNFT発行

【web3マガジン】NFT事例その2: ゲーム中毒者がNFTで稼げる?

《決算が読めるようになるノート》