いよいよ東京メトロが2024年10月23日に東証プライム市場へ上場します。IPOの概要や経営指標などについて振り返ります。
東京メトロ(東京地下鉄)は、首都圏を中心に9路線を運営する日本最大級の地下鉄会社です。主な事業は鉄道の運行管理で、同社の収益の大部分(95.1%)を占めています。また、不動産や流通・広告事業など、都市生活を支えるさまざまな事業を展開しています。

グループ全体では、東京メトロ本体と15の子会社・関連会社で構成され、1927年に開業した浅草~上野間の東洋初の地下鉄路線から、その歴史は始まりました。都市交通の要として、多くの通勤・通学利用者にとって欠かせない存在となっています。
東京メトロは、東日本大震災による復興財源確保法により、2027年度までに完全民営化することが決まっています。
東京メトロの株式は国と東京都が保有していますが、民営化に向けて上場時に半分ずつ売り出します。
株の売却益は鉄道の整備や防災など、都市インフラの整備に使われる予定です。
東京メトロのIPOの概要

公開価格(上場時の株価)は、仮条件の価格帯(1,100円~1,200円)の中から、投資家の需要申告を基に10月15日に1,200円に決定しました。
仮条件の上限価格は想定価格より9.1%の上振れとなり、ロードショーにおける機関投資家の反応が良かったことが想定されます。
上場後は証券会社を通じて株式を購入することができます。
また、幹事証券からIPOのブックビルディングに申込期間中に申込むことにより、公開価格にて東京メトロの株式を購入することができます。
東京メトロの魅力:高配当と株主優待
東京メトロは、2025年3月期の配当金として1株あたり40円を予定しています。
公開価格と2025年3月期の業績予想で算出した配当利回りは3.33%あり、配当利回りの高さが投資家にとっての魅力の一つです。
公共交通機関としての安定した事業収益が見込まれるため、配当金の継続的な支払いにも期待が持てます。(連結配当性向は40%以上を目指しています)
配当利回りは、ほかの鉄道会社と比較しても高いです。(株価は2024年10月7日時点)