A. 1億ユーザー獲得までにかかった時間は、Threads(スレッズ)はわずか5日間、ChatGPTは2ヶ月間、TikTokは9ヶ月間で、Threadsは圧倒的スピードでユーザーを獲得している。
先日、FacebookやInstagramなどを運営するMeta社は、新しいテキスト共有サービス「Threads(スレッズ)」を2023年7月6日にリリースしました。
Threadsは、瞬く間に多くのユーザーを獲得しただけではなく、まるでTwitterのように使用できることから、”ツイッターキラー”としても大きな話題となっています。
本日は、そんなThreadsについて解説し、Threadsを含めた他サービスが1億ユーザー獲得までにどの程度の時間を要したのかを比較しました。
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ツイッターキラー「Threads(スレッズ)」の衝撃
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FacebookやInstagramを運営するMetaによって開発されたテキスト共有アプリ「Threads」は、ローンチからわずか1時間で100万ユーザー、ローンチから5日間で1億ユーザーと、驚異的なスピードで多くのユーザーを獲得しました。
記事執筆時点(2023年7月17日)で、ThreadsはInstagramのアカウントをベースとして、近況や興味・関心について発信できたり、他のユーザーと会話ができるアプリで、Twitterのように使うことが可能です。
Threadsの競合となるTwitterは、イーロン・マスク氏による買収を期にサービスの仕様が大きく変更されるなど、その後の動向が懸念されています。そんな状況の中でThreadsはInstagramユーザーの誘導もあり、一気にユーザー数を伸ばすことに成功しました。
ローンチから100万ユーザー獲得にかかった時間
まず最初に、Threadsを含めた他サービスが100万ユーザー獲得までにかかった時間はどれくらいなのか、見てみましょう。
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世界150ヶ国、170の業界のデータやレポート、消費者インサイト分析ツールなどを提供する「Statista」によると、100万ユーザーを獲得するまでにかかった時間はThreadsが最も短く1時間、次いでChatGPTが5日、Instagramが2.5ヶ月となっています。
無料サービスか有料サービスか、SNSかコンテンツサービスか、などのサービス特性の差もあるため、一概にユーザー獲得の時間でサービスの良し悪しを比較することは難しいですが、Threadsがずば抜けて早いスピードでユーザーを獲得していることは確かです。
ローンチから1億ユーザー獲得にかかった時間
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次に1億ユーザー獲得までの時間を比較します。
上図は横軸に各サービスのローンチ時期を、縦軸に1億ユーザー獲得に要した時間をマッピングしたもので、この図から傾向として、徐々に1億ユーザー獲得までにかかる時間は縮小されてきていることがわかります。
また、TikTokやWeChatなどの中国発のサービスは1億ユーザー獲得までのスピードが他国発のサービスと比較して早いです。これは中国という巨大な市場規模による影響があるでしょう。
スピードだけでなく量の観点でも驚異的
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最後に、Facebook、Snap、Pinterestの3つのSNSが、直近1年間でどの程度ユーザー数を増やしたのか見てみましょう。
●直近1年間のユーザー増加数
・FacebookのMAU: +5,300万
・SnapのDAU: +5,100万
・PinterestのMAU: +3,000万
*MAU:月間平均アクティブユーザー数、DAU:1日の平均アクティブユーザー数
上記の4つのSNSは市場が一定飽和してきている一面もありますが、Threadsは他の巨大SNSが1年間をかけて獲得したユーザー数を、たった5日間で上回っていることになります。
しかし、Metaが運営するFacebookやInstagram、WhatsAppなどのSNSのMAUは合計30.2億人のため、Threadsはこのうち3.3%(=1億人÷30.2億人)ほどのユーザーを獲得しているに過ぎず、今後まだまだ成長余地が大きいと考えられます。
一方でアクティブユーザー数では陰りが
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一方で、ローンチから1週間後の以下のCNBCの記事は、Threadsのアクティブユーザー数やユーザーの滞在時間は減少していると報じています。
また、世界規模でWebサイトの分析ができる無料のマーケティングツールを提供するSimilarwebは、「すべてのユーザーが他のSNSのように、頻繁にThreadsにアクセスする習慣ができたわけではない」と述べています。
参考:Meta Threads engagement has dropped off since red-hot debut, tracking firms say
Threadsはまだローンチから1週間と極めて初期のサービスであり、現時点で一概に評価することはできないため、今後の動向に注目していきたいと思います。
まとめ
本記事では、MetaがローンチしたThreadsと他サービスが1億ユーザー獲得までにかかった時間を比較しました。
・Threadsは、ローンチからわずか数時間で100万ユーザー、その後はローンチから5日間で1億ユーザーと、驚異的なスピードで多くのユーザーを獲得した。
・1億ユーザー獲得までにかかった時間は、Threads(スレッズ)は5日間、ChatGPTは2ヶ月間、TikTokは9ヶ月間。Threadsは圧倒的スピードでユーザーを獲得している。
・Facebook、Snap、Pinterestの3つのSNSが、直近1年間で獲得したユーザー数を、Threadsはたった5日間で上回った。
史上最速で1億ユーザーを獲得したThreadsが今後どうなっていくのか、また、特にマーケターの方であればThreadsをどのように利用するのか等、引き続き今後の動向に注目していきたいと思います。