国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?

ヒント:コロナ禍の真っ最中では、●●銘柄が一時的に評価を高める傾向。コロナ禍の期間を通じてARRマルチプルが堅調な企業は、●●を拡大し、●●を維持している。

決算が読めるようになるノート ビジネスモデル
国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?
  • 国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?

ヒント:コロナ禍の真っ最中では、●●銘柄が一時的に評価を高める傾向。
コロナ禍の期間を通じてARRマルチプルが堅調な企業は、●●を拡大し、●●を維持している。

この記事は、hikoさんとの共同制作です。

2019年冬から今日まで、新型コロナウィルスの状況は日々刻々と変化してきていますが、「決算が読めるようになるノート」で頻繁に取り上げている国内SaaS企業各社への影響も時間と共に様変わりしています。

今回は、『KPIデータベース』の数字を見ながら、国内SaaS企業のARRマルチプルがコロナ前とコロナ禍でどう変わったのか、ARRマルチプルとARR成長率がどのような関係なのか、またその関係がコロナによってどう変化しているかを深掘りしていきます。

『KPIデータベース』は、日米のネット企業の業績・各種KPIをまとめて提供しているサービスです。法人向けのサービスとなりますが、興味のある方は、以下の記事をご覧ください。

記事の前半では、この記事の読者の皆さんはご存じの方が多いと思いますが、ARRマルチプル等、基本的な指標について説明します。後半では、国内SaaS企業のARRマルチプルに関して、コロナ前とコロナ禍の数字を比較しながら、どの分野のSaaSがコロナの変化に強かったのか、またARRマルチプルを高くキープしている会社がどのような戦略をとっているかを整理していきます。


ARRマルチプルとは

ARR(年間経常収益)とはAnnual Recurring Revenueの略で、毎年決まって得ることが出来る売上高のことです。SaaSの売上高の中には、サービス開始時のコンサル費用のようなワンショットの売上と、毎年入るサービス利用料がありますが、ワンショットの売上高はARRには含まれません。

ARRを用いる場面としては、「成長性」を測りたい場合や、企業の時価総額を計算する際の重要な指標となります。

次にマルチプルとは、特定の指標・企業価値・時価総額を比較した際の「倍率」のことを意味します。マルチプル法とは企業価値評価手法の一つで、非上場の会社を評価する際、上場している類似企業のKPI(重要業績評価指標)に倍率をかけて、企業の相対的な価値を求める方法です。

ARRマルチプルは下記の式で求められます。

ARRマルチプル = 時価総額 ÷ ARR

すなわちARRマルチプルとは、「ARRの何倍で時価総額が算出されているか」を表した指標です。

ARRマルチプルと似た指標として、PSR(株価売上高倍率)があります。

こちらは主に新興成長企業の株価水準を測る指標として用いられています。時価総額を年間の売上高で割ることで算出できます。

PSR = 時価総額 ÷ 売上高

ARRマルチプルが所謂「平常時の実力を基にした倍率」を表すのに対し、PSRは「一時的な収益も含めた総合的な伸び」を表している、とも言えます。


国内SaaS企業のARRマルチプルの時系列の変化

今回は前述の通り、平常時の実力を基とした成長率とも言えるARRマルチプルを切り口として、国内SaaSのコロナ前、コロナ禍での時系列の変化を整理していきましょう。

今回分析するSaaS企業の選定は、KPIデータベースに登録されているSaaS企業のうち、2019年末時点で上場しており、かつARRが大きい企業を選定しています。独自の基準で実施していることを予めご了承下さい。また比較データは、決算期による多少のずれがあることも加味頂けたらと思います。


コロナ前(FY19 Q4)

まずはコロナ前の各社のARRマルチプルとARR成長率を見ていきます。

緑色が濃いほど数字が大きいことを表していますが、ARR成長率とARRマルチプルの色の濃さが概して比例していると言えると思います。つまり、ARR成長率が高い企業が、マルチプルも高いことが分かります。2019年はフリー、Sansan、Chatworkが上場した年でもあります。コロナ前のARRマルチプルは、大きくても25前後であることがポイントです。ARRマルチプルがコロナによってどう変化していくのでしょうか。

ここまで、ARRマルチプルという指標、そしてコロナ前の各社のARRマルチプルについて解説してきました。

記事の後半では、コロナによってARRマルチプルがどのように変化したかを整理し、ARRマルチプルを高い水準で維持できている(つまり、市場から高い評価をされ続けている)会社の特徴をまとめています。

この記事は、SaaS事業に携われている方や関心を持っている方、戦略策定に関心がある方、数字を用いた企業分析に興味のある方に、特におすすめの内容となっています。

----------------------------

ここから先は、有料コンテンツになります。有料登録いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。

・Q.国内SaaS企業のARRマルチプル一挙比較。コロナ前とコロナ禍でどう変わった?の答え
・コロナ禍での各社のARRマルチプルの推移
・ARRマルチプルが堅調なSaaS企業の2つの戦略
・コロナ禍で伸びているSaaS企業の共通点
・まとめ

----------------------------


《決算が読めるようになるノート》