【web3マガジン】事例#1: 暗号通貨レンディング Goldfinch

今回からweb3関連のスタートアップの事例も紹介していきます。

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今回からweb3関連のスタートアップの事例も紹介していきます。

前回の記事では、VCが投資しているweb3スタートアップを整理していますのでご覧ください。

【web3マガジン】トップVCが投資するweb3スタートアップとは?

今回ご紹介するweb3関連のスタートアップは、暗号資産のレンディングサービスを提供するGoldfinch(ゴールドフィンチ)です。

DeFiレンディングのGoldfinchとは?

Goldfinch

Goldfinchは、暗号資産を貸し借りするDeFiレンディングサービスプラットフォームです。

暗号資産を保有しているユーザーが、他のユーザーに暗号資産を貸して利息を受け取れるようにするというサービスです。

ここで「DeFi(ディーファイ)」という用語が出てきたので簡単に解説します。

DeFiとは、Decentralized Financeの略語で、分散金融などと訳されます。ブロックチェーンを用いて、金融機関を介さずに金融取引を行う仕組みです。

そのため、送金手数料が発生せず、銀行口座を作るときのような審査もないため、誰でも利用可能といった特長があります。

Goldfinch raises $25M from a16z to power its DeFi lending protocol for borrowers in developing countries – TechCrunchFor all of the excitement pulsing through the so-called web3techcrunch.com

話を戻すと、Goldfinchは、最近では前回の記事でもご紹介した、Anderssen Horowitz (a16z) からも、出資を受け話題になっています。

実際にやっていることは銀行と近いため、アメリカ国内ではサービスを提供しておらず、暗号資産を借りる側のユーザーは、発展途上国の方が多いという現状です。

上図の通り、インド・メキシコ・ナイジェリア・東南アジアのユーザーを中心に、暗号資産を借りるユーザーが20万人以上、既に存在します。

暗号資産を貸す側は、年利10%以上の利息が受け取れるようになっています。

Goldfinchでお金を貸し借りする仕組み

では、Goldfinchで、どのように暗号資産が貸し借りされるのでしょうか。その仕組みを簡単に解説していきます。

詳細の仕組みは、以下のホワイトペーパーに掲載されています。13ページだけなのでDeFiに興味がある方は読んでみてください。

Goldfinch Whitepaper

この図にあるように暗号資産を貸す側には、2種類のプレーヤーが存在します。

一方のプレイヤーは、図の上にあるように、Liquidity Providersと呼ばれます。このプレイヤーが提供する暗号資産は、Senior Pool(シニアプール)と呼ばれる場所にプールされます。

もう一方のプレイヤーは、図の下にあるBackersと呼ばれます。このプレイヤーが提供する暗号資産はJunior Pool(ジュニアプール)にプールされます。

これらの2つのプールを混ぜたものから、Borrowersと呼ばれる暗号資産を借りる側のプレイヤーに、暗号資産がレンディングされることになります。

実際には、暗号資産を借りる側のBorrowersが、どのような条件で暗号資産を借りたいのか提案します。それを踏まえて、Backesが実際にお金を貸すべきかどうかを判断していくという仕組みになっています。

ここで先ほど、シニアプール・ジュニアプールという単語が出てきましたが、それぞれの違いを解説します。

シニアプールの方が、返済された暗号資産や金利などを受け取る時に優先度が高い仕組みになっています。つまり、シニアプールにお金を入れる方がリスクもリターンも小さいという意味です。

一方で、ジュニアプールに投資をする人達は、より大きなリスクを取る反面、期待リターンも大きくなっています。

スタートアップの優先株での投資に似ていると理解いただければ分かりやすいかもしれません。

アーリーステージを対象とするエンジェル投資家は、ジュニアプールに投資をしているようなイメージです。一方で、レイトステージに登場するベンチャーキャピタルは、シニアプールに投資をしているイメージです。

Goldfinchのレンディングがユニークな点

ここまで、暗号資産の貸し借りの仕組みを見ていきましたが、Goldfinchのユニークな点はどこにあるのでしょうか。

Goldfinchでは、“trust through consensus”という概念に基づいて、暗号資産の担保を必要とせずに暗号資産のレンディングを行います。

通常の暗号資産のレンディングサービスは、借りる側のユーザーが保有している暗号資産が担保として必要になる場合がほとんどです。

つまり、100の価値がある暗号資産を保有しているユーザーは、100よりも小さい価値の暗号資産であれば借りることができますが、全く暗号資産を保有していないユーザーは借り入れができないことが通常です。

Goldfinchは、それぞれの借りる側のユーザーの信頼性を他のユーザーが評価することで、暗号資産の貸し出しを行うようにする、という非常にユニークな仕組みを持っています。

これらのやり取りは、全てスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)で行われるというのが特徴です。

Coinbase Venturesの他の主要投資先は?

Goldfinchは、最近Anderssen Horowitzからも出資を受けたと冒頭で紹介しましたが、初期には、Coinbase Ventures(コインベース ベンチャーズ)から出資を受けています。

Coinbase Venturesは、暗号資産の取引所であるCoinbaseが設立したコーポレートベンチャーキャピタルで、web3関連のスタートアップに積極的に投資を行っています。

Coinbase Venturesは、他にどのようなweb3関連のスタートアップに投資しているのか、最後に簡単に見てみましょう。

Where The Top VC Funds Are Investing In Crypto/Web3

カテゴリーとして一番多いのが以下の2つになります。

1位: Data/privacy/security infrastructure (~19%)
2位: Exchanges (12%)

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

まだ始めたばかりのマガジンなので、皆さんからのフィードバックを沢山お待ちしています。コメント欄やTwitter等でコメントをお待ちしています。

他にも、こんなスタートアップを紹介してほしいなどのご要望も、ぜひTwitterでコメントいただければ嬉しいです。

《決算が読めるようになるノート》