【web3】Q. web3時代のユーザー獲得マーケティングでCookieの代わりになるものは?

A. ウォレットがCookieの代わりに使われることになりそうです。

Web3事例データベース QA
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A. ウォレットがCookieの代わりに使われることになりそうです。

今回の記事は「web3企業にとっての最適なマーケティング」というテーマです。今回と次回の2回に分けて解説していきます。

What's Better than a Cookie? A Wallet - How Crypto Will Revolutionize Marketing by @ttunguztomtunguz.com

ここで問題提起されているように、web2の世界では、すでにプライバシーの側面からCookie(クッキー)の廃止が検討されています。

Cookieと呼ばれるものは主に2パターン存在し、廃止が検討されているのは以下の「サードパーティCookie」です。

・ファーストパーティcookie
→「訪問しているWebサイトのドメイン」から直接発行されるcookieのこと。ECサイトのログイン情報や閲覧履歴・カート情報などの保存に利用される。

・サードパーティcookie
→「訪問しているWebサイトとは異なるドメイン」から発行されるcookieのこと。これにより、複数のWebサイト上で同一ユーザーの行動を追跡できる。

では、web3の世界でCookieに相当するものは一体何なのか、という点を詳しく考察してみます。

web2時代の広告ターゲティング: Cookieによるユーザー追跡

皆さんご存知のように、web2の時代において広告ターゲティングをしようと思うと、必ず複数のウェブサイトにまたがった行動を追跡することが必要になります。

そこで、Cookieという技術を利用してユーザーを追跡しています。

Cookieという技術そのものは、インターネットが登場してすぐに誕生した技術で数十年にわたって使われてきました。

しかし、Appleを中心としたプラットフォーマーが、プライバシーへの懸念から、サードパーティCookieを利用できないようにするというトレンドがここ数年起こっています。

Building a more private web: A path towards making third party cookies obsoleteBuilding a more private web: A path towards making third party cookies obsoleteIn August, we announced a new initiative (known as Privacyblog.chromium.org

Appleだけではなく、Googleが2022年末でサードパーティCookieの利用を停止することを発表しています。

アプリにおいても、Cookieとは異なりますが、デバイスを一元的に特定するIDFA (Identifier for Advertisers)と呼ばれる端末識別子が用いられています。コンセプトとしてはCookieと同じ概念です。

これらには「複数のWebサイトやアプリにまたがったユーザーの行動をトラックしたい」という発想が共通して根本にあります。

web3時代の広告ターゲティング: ウォレットによるユーザー追跡

というわけで、web2の世界においては、サードパーティCookieがもうすぐ使えなくなってしまうわけですが、web3の世界においてユーザー獲得など大規模なマーケティングを行おうとした時に、一体何を元にユーザーを特定していくことになるのでしょうか。

Wallets resemble cookies in some ways and improve upon them in others. Like a cookie, a wallet is a unique, anonymous identifier. Applications can create wallets on a user’s behalf and append metadata, just like a cookie,. In addition, a user can exert influence and control over each.

答えは「ウォレット」になりそうだというのが、今回の記事の結論です。

ウォレットはCookieと同じように、ユニークで個人を特定しない識別子です。

ウォレットがCookieよりも優れている点は、全ての購買行動がブロックチェーン上に記載されそれらが誰でもアクセスできるように公開されているという点に尽きます。

さらに現在のweb2のように、アドネットワークやDMPなど中間業者が不要になり、それぞれのチェーン同士でデータのやり取りが直接取引で行えるようになると、広告購買におけるマージンを下げるという意味でも大きなインパクトをもたらすでしょう。

現在は広告を購入する際に、DSP、DMP、SSPという広告主、媒体側それぞれのレイヤーが、それぞれ手数料を取っていることになりますが、これらの手数料が大きく変わる可能性があります。

ウォレットを使った広告ターゲティングにおける現在の課題とは?

ウォレットを使ったユーザー追跡を、広告ターゲティングとして活用することに課題がないわけではありません。

現時点で最大の課題と考えられるのは、ブロックチェーンのトランザクションコストの大きさです。

ただし、このコストは時間が経過とともに下がっていくと考えられるのであと数年すれば大きな問題にはならないかもしれません。

ウォレットが、匿名性高くブロックチェーンという一般公開されているデータベースに記録されるからこそ出来る成せる技ですが、今後web3におけるユーザーターゲティングがどのようになっていくのか注目していきます。

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

まだ始めたばかりのマガジンなので、皆さんからのフィードバックを沢山お待ちしています。コメント欄やTwitter等でコメントをお待ちしています。

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