【web3】Q. WeWork創業者が始めた話題のweb3サービスは何がすごい?

今回の記事では、WeWorkの創業者アダム・ニューマンが始めた新しいweb3関連のサービスについて紹介します。

決算が読めるようになるノート ビジネスモデル
【web3】Q. WeWork創業者が始めた話題のweb3サービスは何がすごい?
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A. 排出権取引をトークン(暗号資産)で行えるようにすることで、排出権取引の手数料を30%から2%にまで下げている点

今回の記事では、WeWorkの創業者アダム・ニューマンが始めた新しいweb3関連のサービスについて紹介します。

EXCLUSIVE Neumann-backed climate tech venture Flowcarbon raises $70 mln

Adam Neumann’s blockchain-based redemption story now sponsored by a16z – TechCrunch


Flowcarbonが$70mの資金調達

WeWorkの創業者であるアダム・ニューマンがFlowcarbon(フローカーボン)というweb3プロジェクトを始め、合計$70mm(約70億円)の資金調達を行いました。

$32 mln raised in fresh equity, $38 mln through token sale

The firm raised $32 million in the funding round led by Silicon Valley financiers Marc Andreessen and Ben Horowitz through their a16z crypto venture capital firm. Other investors included General Catalyst and Samsung Next.

調達した$70mm(約70億円)のうち、$32mm(約32億円)は株式による調達で、残りの$38mm(約38億円)はトークンを売り出すことで調達しています。

この資金調達方法も、いかにもweb3プロジェクトらしい、株式とトークンを融合した資金調達になっていると思います。


Flowcarbonとは?

では、Flowcarbonとはどのようなサービスなのでしょうか。

Flowcarbon - Climate solutions, powered by blockchain

a blockchain-enabled carbon credit trading platform

一言でいうと、二酸化炭素(CO2)の排出権取引をトークンつまり暗号資産で行えるようにするプラットフォームです。

GNT (Goddess Nature Token) と呼ばれるトークンを売買することで、排出権取引がブロックチェーン上で行えるようになります。

Flowcarbon Lite Paper

こちらのライトペーパーから特徴的な内容をいくつか抜粋してみたいと思います。

これまでのブロックチェーン外での排出権取引は、2021年までの累計で約$1B(約1,000億円)で、前年同期比+100%で成長している市場です。

2021年10月から始まったブロックチェーン上での排出権取引はまだ数ヶ月しか経っていないにも関わらず、既に取引額が約$2B(約2,000億円)を超えており、カーボンクレジット単価は10倍以上になっています。


排出権取引の課題 = Flowcarbonがweb3で参入する意義

排出権取引をブロックチェーン上に乗せるだけで、大きな市場が生み出されそうな予感がしますが、現在の排出権取引には一体どのような課題があるのでしょうか。

そしてweb3や暗号資産を用いることでそれらをどのように解決できるのでしょうか。

Despite increasing demand, the market has drawn criticism for being fractured, opaque, hard to access and with question marks over the quality of some credits.

排出権取引へのニーズは、地球温暖化などへの懸念が強まるにつれどんどん大きくなってきているものの、売買される排出権そのものの質に対する懸念などが強く残っています。

理屈の上では簡単に取引できそうな排出権ですが、売り手と買い手の質の担保など色々難しそうな問題が山積みで、ある種のブラックマーケットのような非常に透明性の低い取引になってしまっていると言えます。

Paying a 2% tokenisation fee through Flowcarbon also saves project developers money compared with the up to 30% cost of selling their credits in the traditional manner, through an offtake agreement negotiated by an intermediary, Gibber said.

現在の排出権取引では、手数料が最大30%かかると言われており、契約交渉の非常に煩雑になりがちですが、Flowcarbonのマーケットプレイスを利用することでトークン手数料が2%で済みます。

さらに、スマートコントラクトを使って取引が実行できるため、排出権取引トランザクションのコストが大きく下がるのが最大の特徴です

To help fix this, Flowcarbon lets project developers sell their carbon credits through tokens, digital assets stored and traded using blockchain technology, allowing them to access cheaper funding and scale their projects more quickly.

排出権取引の内容をブロックチェーン上に記録することで、改ざんがされにくく透明性が高い取引ができるようになるという点が最大のウリだと言えるでしょう。

By "tokenising", developers can access cheaper financing earlier in the life of their project by selling forward their credits, she said.

Buyers, meanwhile, will have greater transparency over their holdings and a broader range of them can join in, including individuals, smaller companies and those in the crypto market.

排出権を販売したいという売り手は排出権をマーケットプレイスに出品し、買い手はそこから購入できるという非常にシンプルなマーケットプレイスの仕組みですが、透明性が高く改ざんできないブロックチェーン上に取引が記録されていくことで、現在の排出権取引の問題が解決できると考えられています。

《決算が読めるようになるノート》