Q.リアルデータ活用のUnerry、顧客数約50社でも新規上場できた理由とは?

ヒント:●●により●●が●●と非常に高いため

決算が読めるようになるノート QA
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この記事は沼幹太さんとの共同制作です。

今日は2022年7月28日に東証グロース市場に新規上場予定の株式会社Unerryについて取り上げます。

Unerryは2015年8月に設立された会社で、現在7年目です。Unerryについて、上場目論見書や公開資料などを参考に分析しながら、顧客数が50社と少ないにもかかわらず、新規上場することができた理由に迫ります。

Unerryの会社概要

Unerryは「実社会をデータ化し新たな社会の「うねり」を作る」をビジョンに、実社会のリアル行動ビッグデータを解析し、活用するためのサービスを提供しています。

上図の通り、1.リアル・EC店舗と消費者をつなぐリテールDX領域と、2.まちづくりのスマートシティ領域で、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を提供しています。

経営メンバーは、CEO、COO、CMOいずれもコンサルティングファーム出身です。CEOの内山氏はPwC・ATカーニー、CMO内山氏はPwC、COOの鈴木氏はAccenture出身で、その他取締役にもBCG出身者などで構成されています。

Unerryの事業概要

事業の特徴は大きく3つあります。

(1) 様々な手段により人流をデータ化
スマートフォンアプリから取得したGPSやBeacon、IoTセンサーを通じて月間300億件以上のリアル行動データを取得しています。

ちなみに、BeaconとはBluetoothの電波を発信する小さな端末で、店舗等に設置することでユーザーの行動データを取得​​することができます。

データ取得にあたって利用するモバイルアプリ内には1.1億ID、人流データ取得用ビーコンは210万個あります。

具体的には位置情報、モバイル広告識別子(ADID)、端末情報といったデータをSDK(ソフトウェア開発キット)が組み込まれたアプリを経由してUnerryのデータベースに蓄積される仕組みです。

(2) リアルデータから意味を抽出するAI
取得したデータをAIが移動手段や居住地や勤務地、来訪傾向といった様々な観点から解析し、Unerryが体験を提供すべき人や場所の状況を推定しています。

(3)リアルデータに対し、行動の変容を作り出す仕掛け
取得したデータとAI解析をもとに、クライアントはどのようにすべきかを提案し、行動変容に繋げられることもUnerryの強みでしょう。

クライアントは下記の3サービスを活用し、ユーザーに対する施策を打つことができます。この3つのサービスがUnerryのマネタイズポイントとなっています。3つのサービスは取得した行動ビッグデータに対して、それぞれ異なる役割を果たしています。

1.分析・可視化サービス:勝てる地域や客層の絞り込み・分析
 提供形態はSaaS。基本的に年間契約で、月額課金で15万円~95万円程度。

2.行動変容サービス:顧客に対してユーザーに最適化した広告を配信
 来店可能性が高い顧客群や商圏を発見、SNSや動画などで広告発信。デジタル広告の配信料が月額100万円~1,500万円、その他スポットでの配信料など。

3.OnetoOneソリューション:ユーザーに最適化した体験を提供
 行動データをもとにインターネット広告の最適化、アプリのプッシュ配信(公式LINEなど)、電子看板の表示などを最適化できる。月額100万円~1,500万円。

これまでは店舗が消費者の行動データを獲得するには、店舗のPOSデータを分析するなど手間の割に情報の質量ともに限定的でした。また店周辺のデータのみに閉じたデータしか取得できず、ユーザーの詳細な分析や施策実行ができないという課題がありました。

Unerryを活用することで、これらが簡単に実現することは大きなメリットといえます。

Unerryの業績

ここからはUnerryの業績について、見ていきます。

FY2021(2020年7月-2021年6月)の売上高はYoY+36%の7.8億円となっています。FY2022(2021年7月-2022年6月)の売上高はQ3までで11.1億円で、これを年間に換算するとYoY+89.3%の14.8億円となります。

上図はFY2021(2020年7月-2021年6月)の四半期ごとの売上高と営業利益の推移です。Q3が最も売上が大きく、また唯一黒字化を達成していることも確認できます。この季節性について、顧客の予算執行サイクルによるものだとUnerryは説明しています。

FY2022 Q3(2022年3月)時点でのサービス別の売上高は以下です。

1. 分析・可視化サービス:4.1億円(構成比37%)
2. 行動変容サービス:4.1億円(構成比37%)
3. One to Oneサービス:2.9億円(構成比26%)

それぞれのサービスが安定的に成長しているといえます。

ここまで、Unerryの会社概要、事業概要、業績を順に見てきました。

タイトルにも記載の通り、Unerryは顧客数が約50社とSaaSで上場する企業としては非常に少ないといえます。後半では、なぜ顧客数が少ないながら規模を拡大し、上場することができたのかを解説します。

この記事は、Unerryに関心のある方、SaaSに関心のある方、データビジネスに関心のある方に最適な内容になっています。

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・まとめ


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