なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説

良品計画は第3四半期で過去最高益を更新、海外成長と内製化で利益率改善。通期予想を二度上方修正、3ヶ年計画は2028年に売上1兆円・営業利益1000億円超を目指す。

決算が読めるようになるノート 決算解説
なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説
  • なぜいま無印良品は世界で加速しているのか?良品計画第3四半期決算を解説

良品計画は「無印良品(MUJI)」ブランドを国内外で展開する日本の小売企業です。衣服・生活雑貨・食品を「感じ良いくらし」の思想のもとシンプルさと高品質で提供し、世界各地への出店拡大を続けています。


過去最高益を更新した第3四半期累計

株式会社良品計画 2026年8月期第3四半期決算説明会

2026年8月期第3四半期累計の総評は「為替影響と海外事業の加速を背景に各段階利益は最高益を更新。想定以上の進捗。世界での成長の確度向上から業績予想を引き上げ」とまとめられました。営業収益・各段階利益は第3四半期累計ベースで過去最高を更新し、生産内製化や値下げの抑制により営業総利益率の改善が継続。売上伸長に伴う販管費の効率化も進み、営業利益率は11%を超えました。

連結決算の第3四半期累計実績を見ると、営業収益は国内外の店舗数の増加に加え、特に海外事業の売上が伸長したことで前年同期比16.9%増の6,907億円に達しました。営業総利益率は生産の内製化による原価低減効果と値下げの抑制により前年同期比1.3ポイント改善し52.5%、販管費率は売上伸長に伴うコスト効率化が進み連結で前年同期比0.3ポイント改善し40.8%となりました。営業利益は前年同期比36.0%増の808億円と大幅な増益を達成し、営業利益率は前年同期比1.6ポイント改善の11.7%となりました。経常利益は823億円(+42.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は585億円(+34.3%)を記録しました。

直近の第3四半期単体(3カ月:2026年3月~5月)でも、営業収益は前年同期比20.6%増の2,522億円を達成し、海外事業が前年同期比4割近い伸長をみせました。営業利益は前年同期比53.5%増の357億円と大幅な増益で、営業利益率は前年同期比3.0ポイント改善し14.2%に達しました(p.7)。四半期単体での加速感が鮮明で、後半に向けてモメンタムが高まっていることが確認できます。

国内事業——プロモーション効果とEC回復が支えた堅調

株式会社良品計画 2026年8月期第3四半期決算説明会

国内事業の第3四半期累計は、「無印良品週間」や「良いね祭」、「GOOD POINT WEEK」などのプロモーション効果により安定的な増収を維持しました。システム障害からの復旧後、第3四半期に入りEC売上は回復傾向となり、第3四半期累計の既存店+EC売上前年比は102.0%となりました。営業利益は増益で、生産の内製化と値下げの抑制により営業総利益率が改善し、営業利益率は前年同期比1.6ポイント改善の13.1%に上昇しました。

セグメント別実績では、国内事業の営業収益は3,911億円(前年同期比+8.9%)、営業利益は511億円(+23.9%)を達成しました。

一方でリスクも存在します。2026年6月の既存店+EC売上前年比は、全国的な天候不順により季節商材が伸び悩んだことに加え、前年に比べて土日祝日日数が1日少なかったことにより91.9%にとどまりました。第4四半期の動向には引き続き注視が必要です。

東アジア事業——グループ成長の核心、営業利益率21%超の収益力

株式会社良品計画 2026年8月期第3四半期決算説明会

東アジア事業は第3四半期累計で、既存店売上の好調により前年同期比29.3%の増収となる2,128億円を記録しました。営業利益は前年同期比39.6%増の454億円、営業利益率は1.6ポイント改善し21.3%と、全地域において売上が好調に推移しました。

その核となる中国大陸事業は、生活雑貨と食品を中心に全部門で売上が伸長し、営業収益1,354億円(前年同期比+31.9%)と大幅な増収増益となりました。現地MDやマーケティング施策の強化に加え、店舗の小規模改装も寄与し、第3四半期累計の既存店+EC売上前年同期比は114.5%に達しました。

株式会社良品計画 2026年8月期第3四半期決算説明会

東アジア事業の成長を支える施策の具体像として、中国大陸事業では年間40~50店の小規模改装を実施し売上が10%アップ。ECチャネル拡大によるオンライン売上の伸長も貢献しており、中国大陸事業の会員数は5,000万人を超過しました。

台湾事業は生活雑貨と食品の売上好調に加え値下げ率が改善し増収増益。香港事業は売上好調に加え収益性の改善により大幅な増収増益で、ヘルス&ビューティーやハウスウェアが売上を牽引しました。韓国事業は商品・マーケティング・オペレーション施策の推進により売上が大幅に伸長し、大幅な増収増益となりました。

2026年6月の既存店+EC売上前年比は、中国大陸事業の618商戦が好調で東アジア事業119.9%、中国大陸事業125.8%と勢いが加速しました。

東南アジア・オセアニア&欧米事業——成長投資フェーズへの本格移行

株式会社良品計画 2026年8月期第3四半期決算説明会

東南アジア・オセアニア事業はマネジメント体制強化のもと売場改善を加速し販売計画の見直しに注力した結果、営業収益は前年同期比34.7%増の490億円を達成しました。営業利益は前年同期比55.5%増の69億円と大幅な増益で、営業利益率は1.9ポイント改善し14.2%に向上しました。タイ、マレーシア、ベトナム、オーストラリアの各事業で既存店+EC売上が前年同期比二桁伸長しました。

株式会社良品計画 2026年8月期第3四半期決算説明会

欧米事業は商品の品揃え拡充やEC売上の伸長により、約2割の増収となる377億円(前年同期比+21.9%)を達成しました。欧州事業は増収増益で既存店+EC売上前年比が二桁伸長し、前期にECプラットフォームを統合したことでEC売上が大幅に伸長しました。北米事業はボストン・ケンブリッジとニューヨーク・クイーンズへの新店が順調な立ち上がりを見せました。ただし営業利益は55億円(+3.8%)の微増にとどまり、営業利益率は14.6%(▲2.6ポイント)と悪化しました。出店・物流をはじめとする将来成長に向けた経費増が影響しています。

欧米は現時点では投資フェーズに入っており、足元の利益率悪化は一時的なものとして許容しながら、将来の拡大余地を着々と広げている局面です。

通期業績予想を今期二度目の上方修正——営業収益9,070億円・利益率10.8%へ


《決算が読めるようになるノート》